変性意識状態とは?2
さて、「あなた」とは何か?について今まで解説してきましたが、これでようやく変性意識状態とは何か?がわかるようになります。
では、変性意識状態とはどのような状態か一般的にはこのように説明されています。
変性意識状態とは、日常的な意識状態”以外”の意識状態のこと
この説明ではよくわかりませんね。
では、通常の意識状態とはどのような状態なのか?
生きるためのプログラムである「あなた」が、五感を働かせて、敵の襲来に備えている状態。
「あなた」の生きている環境は常に変化していくため、五感の情報を通して、生き残るために記憶を常に更新している状態。
つまり、変性意識状態とはそれ以外の状態と考えられます。
では、もっと詳しく説明していきましょう。
変性意識状態とは具体的にどのような状態か例を挙げると、
・セックスの興奮状態
・恋愛に没頭している状態
・眠りに落ちる寸前の状態
・アルコールやドラッグなどを摂取することで起こる意識変容状態。
・お祭りなど非日常的な場面でおこるハイな状態。
・呪術や宗教的儀式などによって引き起こされる忘我状態。
・強烈な自然災害を体験しているとき。
・映画、テレビ、読書などに夢中になっているとき。
・激しい怒りや悲しみなど、強い感情を感じているとき。
・戦争体験や事故など生命に関わる体験、恐怖を感じたとき
・瞑想状態、催眠状態。
このようなときに変性意識状態になっていると言われています。
それでもあなたは「?」と思いませんでしたか?
それでは、この変性意識状態の具体例がなぜ変性意識状態なのか詳しく解説します。
・セックスの興奮状態
セックスは気持ちいいです。
セックスをしているとき生き物は無防備です。
敵の襲来に備えて五感を働かせている状態をいったん止め、
性行為に五感を集中させなければなりません。
特に、オーガズムを迎えているときは一番無防備だと言えます。
この時点で、
「生きるためのプログラムである”あなた”が、五感を働かせて、敵の襲来に備えている状態」
つまり、通常の意識状態ではないので、セックスの興奮状態は変性意識状態であると言えます。
こんな時に、敵に襲われたらひとたまりもありません。
しかし、生きるためのプログラムである「あなた」は、なぜ敵に襲われる危険を冒してまで、
そのようなことをするのでしょうか。
より優秀な遺伝子を持った子孫という自分のコピーを残すことで、より強い敵に対抗するためです。そうでなければ、自分が滅びてしまうからです。
セックスは、自分が生きるためのプログラムの中に組み込まれているのです。
だからセックスは、
敵が近づく=恐怖=不快
のスイッチを切ってまで性行為に集中しなければなりません。
セックスは命がけです。
オーガズムに強い快感が発生するようにすることで、危険を冒してまでセックスをしたくなるようにプログラムされているのです。
なので、セックスは気持ちいいのです。
「恥ずかしい」という感情について
余談ですが、
セックスは恥ずかしいです。
恥ずかしいので安全なところで隠れて行いたいと思うのです。
恥ずかしい=無防備=敵に襲われやすい状態
という風にあなたはプログラムされています。
なので、なるべく恥ずかしくない、敵に襲われにくいところで隠れてセックスをしたほうが子孫を残せる確率は高くなります。
しかし、私たちの祖先はそのような恵まれた状態でセックスが常にできたわけではありません。
恥ずかしい=無防備=敵に襲われやすい状態
であってもセックスをする必要がありました。
そのため、
恥ずかしい=無防備=敵に襲われやすい状態
でもセックスがしたくなるように、恥ずかしいとセックスが気持ちよく感じるようにプログラムされています。
セックスが恥ずかしいほど興奮するのはそのためです。
これが、「変態」が存在する理由です。
・恋愛に没頭している状態
・映画、テレビ、読書などに夢中になっているとき
・呪術や宗教的儀式などによって引き起こされる忘我状態
・眠りに落ちる寸前の状態
・瞑想状態、催眠状態。
この5つはすべて同じ理由で変性意識状態であると言えます。
この5つに共通するのは、
五感によって記憶を更新している状態を弱めて、自分が作り出した記憶の世界に入り浸っている状態です。
この状態は、「五感の情報を通して、生き残るために記憶を常に更新している状態。」ではない。
つまり通常の意識状態ではないと言えますので、変性意識状態であると言えます。
”自分が作り出した記憶の世界に入り浸っている状態”が強いほど変性意識状態が深いということが言えます。
「呪術や宗教的儀式などによって引き起こされる忘我状態。」は”五感の情報を通して、生き残るために記憶を更新する働き”
が止まり、自分がここにいるという感覚(自我)さえもなくなっていますので、深い変性意識状態であると言えます。
つまり、変性意識状態が深いほど
敵に襲われやすい=無防備
であることがわかります。
ここであなたは、
「変性意識状態って非日常の意識状態なんだろ?”映画、テレビ、読書などに夢中になっているとき”なんて日常的に誰でも体験してるじゃん。」
と思いませんでしたか?
実は、変性意識状態は日常的に誰もが体験しているのです。
最近は変性意識状態の定義が変わってきていて、普通の人は常に変性意識状態であると言われるようになってきています。
最近の変性意識状態の定義は
「物理的現実世界に意識が100%ない状態」は全て変性意識状態。
つまり物理世界(普通の五感を通してみる世界)に臨場感がなくなって、映画や小説の抽象的な世界(記憶をもとに作った世界)に臨場感を持った意識は変性意識状態であるということです。
この定義は苫米地博士が広めた定義なのですが、
少し難解ですよね。
わかりやすく説明すると、
あなたの脳が記憶を思い出している状態は全て変性意識状態ということです。
では、質問しますので考えてみて下さい。
”あなたが昨日食べた夕飯はなんですか?”
この時あなたが昨日の夕飯の記憶を検索している意識状態が、変性意識状態です。
実は脳が記憶を検索しているとき
「五感を働かせて、敵の襲来に備える働き」と
「五感の情報を通して、生き残るために記憶を常に更新する働き」が一時止まります。
それを踏まえてまた質問します。
”あなたが昨日食べた朝飯はなんですか?”
いかがですか?
昨日食べた朝飯の記憶を思い出している時、まわりの音が聞こえなくなるような感じがしませんでしたか?
これが、
「五感を働かせて、敵の襲来に備える働き」と
「五感の情報を通して、生き残るために記憶を常に更新する働き」が止まるということ、
つまり、変性意識状態であるということです。
ということは、あなたはこの文章を読んでいる時点で変性意識状態です。
文字の意味が分かるのは、文字の意味を記憶しているからですよね?
つまり文字の意味を理解するためには文字の意味を脳が思い出しているということです。
脳が記憶を思い出している状態は変性意識状態です。
極論すると五感を通して世界を感じているとき、あれは何か?とわかることも記憶を思い出す脳の働きです。
たとえば、イスを見て”イスだ”とわかることがもうすでに変性意識状態であるということです。
このように、
「物理的現実世界に意識が100%ない状態は全て変性意識状態。」
の定義にしたがうとあなたの日常生活の行いはほとんど変性意識状態であるということが言えます。
つまり、あなたはすでに変性意識の浅い状態、深い状態を行ったり来たりしているということです。
と言われても、普通は「今変性意識状態だな」とか意識して生活している人はあまりいないと思いますので実感がわかないものだと思います。
だから、今までの変性意識状態の定義
変性意識状態とは、日常的な意識状態”以外”の意識状態
という風に理解しておいて、それにプラスして
「実は脳が記憶を思い出している時は変性意識状態。」
と、覚えておくと良いでしょう。
・アルコールやドラッグなどを摂取することで起こる意識変容状態。
これもよく変性意識状態だよと説明されるもののひとつなのですが。
いったいどこが変性意識状態なのでしょうか?
それは、
アルコールやドラッグを摂取することで”不自然に”五感の働きが鈍ったり、敏感になりすぎたりします。
その結果、
「五感を働かせて、敵の襲来に備える働き。」や、
「五感の情報を通して、生き残るために記憶を常に更新している働き。」
のバランスが崩れてしまいます。
そのため、
通常の意識状態以外の意識状態=変性意識状態
になってしまうのです。
・激しい怒りや悲しみなど、強い感情を感じているとき。
なぜ、強い感情を感じているときが変性意識状態なのでしょうか?
それは、感情と記憶が密接にかかわっているからです。
あなたの祖先は、
敵が近づく=恐怖=不快
敵がいない=安心=快感
のシステムと五感を結びつけることでさらに生き残る確率をあげていきました。
これが記憶のメカニズムです。
たとえば、
蛇を見た→蛇に襲われる→恐怖→逃げる。
だったのが、
蛇の視覚情報と恐怖(感情)が結びついていた場合、
蛇を見た→恐怖→逃げる。
蛇に襲われる前に逃げることができるようになり、生き残れる確率が上がります。
また、生きるためのプログラムであるあなたは、
”恐怖、不快、怒り”
のようなネガティブな感情ほど強く五感情報と結びけて記憶します。
なぜなら、ネガティブな感情は敵に命を狙われていることを示しているからです。
つまり、感情が発生するのはその感情が発生したときの記憶を思い出していることになります。
記憶を思い出している状態は変性意識状態です。
なので、強い感情を感じているときは変性意識状態であると言えます。
・お祭りなど非日常的な場面でおこるハイな状態。
・強烈な自然災害を体験しているとき。
・戦争体験や事故など生命に関わる体験、恐怖を感じたとき。
この三つに共通して言えるのは、非日常的な状態ということです。
非日常的な意識状態=変性意識状態
ですので、この三つは変性意識状態であると言えますが、もう少し掘り下げていきます。
これまで、
通常の意識状態とは
生きるためのプログラムである「あなた」が、五感を働かせて、敵の襲来に備えている状態。
「あなた」の生きている環境は常に変化していくため、五感の情報を通して、生き残るために記憶を常に更新している状態。
という風に言ってきましたが、これは言い換えると、
”いつもと違う変化がないか探している状態”です。
つまりあなたは、
”五感の情報にあまり変化がなく、記憶の更新内容にあまり変化がない状態。”
が理想的だと考えています。
いつもと同じ状態をあなたは望んでいるのです。
いつもと同じ状態、
つまりよく知っている場所のほうが敵に襲われてもうまく逃げることができて生き残る確率が高いからです。
これが日常的な状態です。
では、非日常的な状態とは、
”五感が感じる情報がいつもと違い、記憶の更新内容に大きく変化がある状態です。”
つまり、いつもと違う状態です。よく知らない状況で記憶のデータも少ないため、”無防備”です。
敵に殺される確率が高くなります。
そういう状態であなたが生き残るための方法は、感情と記憶を強く働かせて今までの経験を思い出して役立てることです。
この時、
強い感情を伴って記憶を思い出している状態=変性意識状態である と言えます。
まとめ
変性意識状態とは?
日常的な意識状態”以外”の意識状態
日常的な意識状態は、
生きるためのプログラムである「あなた」が、五感を働かせて、敵の襲来に備えている状態。
「あなた」の生きている環境は常に変化していくため、五感の情報を通して、生き残るために記憶を常に更新している状態。
つまり変性意識状態とは、
五感を働かせて敵の襲来に備える働きと五感の情報を通して生き残るために記憶を常に更新する働きが、止まったり、弱まったりしている状態
↓
つまり、脳の五感入力が弱まったり、止まっている状態。
※脳が記憶を思い出しているときは、五感の入力を一時的に止めなければいけないので変性意識状態になる。
↓
敵を察知するための機能「五感」が弱まったり、働かない状態は敵に襲われやすい状態
↓
変性意識状態とは「無防備な状態」