変性意識状態とは?1
変性意識状態になると脳がコンピューターのパラメーター設定画面のようになると言いましたが、なぜそのようになるのでしょうか?
それにはまず変性意識状態とは何か?ということを知る必要があります。
すごくあたりまえな理由ですので、難しく考えずにこのまま読んでみて下さい。(小学生でもわかるような説明を心がけています。)
当たり前すぎて読む気が失せるかもしれませんが、この当たり前のことが大変重要です。
また、
このことがわかれば私たちの「?」のほとんどの答えがわかるようになります。
「あなた」とは何か?
変性意識状態を知る前に「あなたとは何か?」ということを知る必要があります。
「あなた」とは、生きるためのプログラムです。
自分が生き残ることが大前提のプログラムです。
ということは、あなたを殺そうとする「敵」がいるということです。
「敵」には何がいるかというと、
・あなたを殺して食べ、自分の栄養にしようとする物(動物など)
・自然災害(洪水、土砂崩れ、火山の噴火、嵐など)
・ウィルスや菌などの病原体
などがいます。
あなたが生き残るために一番必要なことはなんでしょうか?
それは敵の存在をあなたが知らなければいけませんよね。
どうやって敵の存在を知りますか?
まずは敵を感じることですよね。
それは、どうやって感じるのでしょうか?
五感(視覚、聴覚、触覚、臭覚、味覚)で感じますよね。
視覚:光の情報を使って、「敵」がどこにいるか感じます。
聴覚:「敵」の動く音を感じて、危険が迫っていることがわかります。
触覚:痛み、寒さ、熱さを感じることで「ヤバい」と感じたり、敵が近づいてくる振動からも危険を察知できます。
臭覚:敵の発する臭いの情報から、危険を察知します。
(腐った臭いのものを食べたらおなかを壊して、死ぬ確率が高くなる)
味覚:食べ物の味から危険なものかどうかわかる。
苦味=毒、酸味=腐っている(病原体がいるということを感じる。)
つまり感覚とは、あなたが生きるために「敵」の存在を察知するためにあるのです。
ということは、「敵」がいなければ、感覚はあまり必要ないということです。
言い換えるなら、強く恐ろしい「敵」がいなければ、感覚も発達しないということなのです。
つまり、敵も未熟であれば感覚も未熟なままでいいということです。
ということは・・・
「あなた」とは、生きるためのプログラムです。
↓
「あなた」の祖先である「原始的な細胞のような生き物」だったころは、敵がほとんどいなかった。
だから、感覚もなかった。ていうか、自分と他者を区別する必要もあまりなかった。
↓
「あなたの祖先」は調子に乗っていたが、あるとき天変地異とか、自分より強い敵が現れた。
↓
「あなたの祖先」は、大量虐殺にあった。生きるためのプログラムであるあなたの祖先は、敵から逃れるために敵の存在を何とかして察知しなければならなかった。
あなたの祖先がまずやったことは、自分と他者を区別することであった。それには物理的に自分の体の中に電気を通す仕組みを作り、「自分とは違う物」が近づいたら反応して体の中を電気が通ることで危険を察知するようにした。(つまり神経)
DBCLS 統合TV [CC BY 4.0
(http://creativecommons.org/licenses/by/4.0)],
ウィキメディア・コモンズ経由で
この神経が複雑になることで「脳」の原型がうまれた。
そして「感覚」が生まれた。
↓
そして、敵もどんどん強く恐ろしくなっていった。
それにともなって
生きるためのプログラムであるあなたの祖先
の「感覚」もどんどん進化しなければならなかった。
あなたの祖先は、
敵が近づく=恐怖=不快
敵がいない=安心=快感
みたいなシステムを自分の中に作ることで、より速く敵の存在を察知するようになった。
そしていろいろな刺激(光とか音とか)から敵を察知しなければ生き残れなくなり、神経も複雑になっていったそして「五感」が生まれた。
↓
どんどん敵も恐ろしく狡猾になってあなたの祖先をだますようになってきた。
あなたの祖先は、
敵が近づく=恐怖=不快
敵がいない=安心=快感
のシステムと五感を結びつけることでさらに生き残る確率をあげていった。これが記憶の原型。
※脳の扁桃体(恐怖、不快、感情を司る)と海馬(記憶を司る。)の場所が近いことや、感情と記憶の関係が深いのはこのためだと考えられます。
↓
またさらに敵が狡猾で強くなっていった。
あなたの祖先はさらに危機に立たされた。
それまで五感は別々に働いていてほかの感覚と関係していなかったけど、記憶を使うことでほかの感覚を結び付け始めた。
たとえば、あなたの祖先がサルだった場合、
蛇を見た(視覚)、蛇の出す音(聴覚)、その時に感じていた臭い(臭覚)、その時ぶら下がっていた木の感触(触覚)、
「ヤバい・・・」という恐怖の感情(不快)、の情報を結び付けることで、そこが危険な場所だということがよりリアルに感じられるようになった。
その五感の情報を記憶することで、危険な場所に近づかないということもできるようになった。
しかし、「あなた」の生きている環境は常に変化していく。
敵の居場所も変化するし、食べ物のある場所が変化するため、五感の情報を通して、生き残るためには記憶を常に更新していく必要があった。
これによってさらに生き残る確率が上がった。
この頃になると、自分がそこにいるということがおぼろげながらわかってきた・・・。
↓
またさらに敵が強力になった・・・。
五感の情報を組み合わせることができるようになったおかげで、生き残れる確率が上がってきた。
さらに記憶力もどんどん良くなってきた。
とくに、視覚、聴覚、触覚、の情報を組み合わせることで、今ここに自分がいるということを強く意識できるようになった。(頭頂葉の発達)
たとえば、
あそこに敵がいるのがわかったぞ(視覚)
敵の鳴き声から敵との距離がわかるぞ(聴覚)
今自分はウンコをしている姿勢をとっているぞ(触覚)
ということは、敵との距離はこのぐらいだな、
ということは俺は今ここにいるんだな。みたいなことがよくわかるようになってきた。
ああ自分は今ここに存在しているんだ・・・。
↓
また敵が強くなった!
それに合わせて私たちの祖先の脳はさらに発達し、記憶力がさらに上がった!
この頃になると、「記憶の順番」もよく分かるようになってきた。
あれは昨日やったし、あれは一年ぐらい前かな。みたいなことがわかるようになってきた!
← ← ← ← ← ←
その「記憶の順番」と、「今自分がここにいるという感覚」(視覚、聴覚、触覚、)があるとき結びついた!
俺ってずっと存在してんじゃん!
こうして「自我」が生まれた。
↓
俺って昔からずっと変わらずに存在してんじゃん!
じゃあ未来の自分も存在しているっていうことだよな!
じゃあ未来のためにいろいろやっとこ。
そうすればより安全(快感)に生きられるぞ。
(前頭葉の発達)
まとめ
変性意識状態を知る前に「あなたとは何か?」ということを知る必要があります。
「あなた」とは、生きるためのプログラムです。
自分が生き残ることが大前提のプログラムです。
「あなたの祖先」は、あなたを殺す存在「敵」に気づくために”感覚”をつくりました。
「あなた」は、
敵が近づく=恐怖=不快
敵がいない=安心=快感
という生き残るためのプログラムに支配されています。
敵が近づく=恐怖=不快
敵がいない=安心=快感
という生き残るためのプログラムと”感覚”が結びつくことが「記憶」です。
視覚、聴覚、触覚、の情報を組み合わせる脳の頭頂葉の働きによって、”今ここに自分がいるという感覚”が生まれます。
つまり「あなたの正体」は、
自分が生き残ることが大前提のプログラムをもった、
「記憶」+”今ここに自分がいるという感覚”=「自我」
をもっている存在であるということです。
そして、「あなた」は”常に”
敵が近づく=恐怖=不快
敵がいない=安心=快感
という生き残るためのプログラムに支配されています。